音楽雑記 42
私は意外にも本を読む方でございます。
一時期は簡単に読める漫画が多かったのですが、最近は元に戻って小説が多いです。(※漫画も読みますよ)
多い時には1日1冊、最低でも1週間に1冊でしょうか。
皆さん本を読む時は無音派ですか?BGM派ですか?
本を読む時は無音で集中したい・・という方が多数かもしれませんが、私は断然BGM派です!
音が無くても良いけど・・出来れば音があった方が良い。
その本の世界を作り、その世界により入り込めるから・・でしょうか。
しかも流すのはクラシック!と決まっているのです。
という事で今回はちょっと今までとズレて本を紹介しつつ、一緒に曲の方もご紹介。
アルジャーノンに花束を (ダニエル・キイス文庫)
ダニエル キイス / 早川書房
私のまだ短い人生に於いて、一番心に残っているのはダニエル・キイスのSF小説「アルジャーノンに花束を」。
脳外科手術によってIQ68からIQ185の超天才になったチャーリィのお話。
主人公であるチャーリィ・ゴードンの視点による一人称で書かれており、主に「経過報告」として綴られています。
大変有名な作品ですので読まれた方も多いと思います。
私、後にも先にもこれほど泣いた小説はありません。
途中から既に所々で涙を流しながら読んでいたんですが、最後の方はもう切な過ぎてずーっと号泣!
嗚咽をあげる程号泣しながら読んで、読後も暫く泣き止めなかった本はこれが唯一です。
「幸せとは何だろう?」そういう事を考えずにはいられない作品。
月の光/ドビュッシー
まぁるい優しげで繊細な1つ1つの音色が、チャーリィの優しい心にぴったり。
しかし作中ではチャーリィはストラヴィンスキーが好きだったらしい。
作品は・・ペトルーシュカと勝手に予想。こちら
憂愁のノクターン(K2HD)
フジ子・ヘミング / ビクターエンタテインメント
錦繍 (新潮文庫)
宮本 輝 / 新潮社
心に残ると言えば、宮本輝の「錦繍」も好きです。元夫婦が交す「往復書簡(手紙)」という形で進むストーリー。
手紙が行き来する度に、こんがらがった糸が少しずつ解れて行くかの様に心が解きほぐれて行く。
人の生とその強さ・輝きが感じられる作品。
手紙のやり取りが終了すると同時に、私の心にも光が差し込む感じで読み終われるのが良いです。
これは30.40.50.60....と、歳を重ねる毎に読み返したいなと思える本。
宮本輝は他にも「幻の光」等好きな作品が多い。
サラブレッドが好きな私は「優駿」も好きだし、「避暑地の猫」には衝撃を受けた。しかも嫌な方(笑
ショパン/幻想曲
Zimerman plays Chopin Fantasie Op. 49 Part 1 Part 2
私の勝手な捉え方ですが、この曲はなんとなく何かを「乗り越えた」という感じがするから
この本を読むときはこの幻想曲を聴いてしまいます。
しかし作中では「モーツァルト」が多く登場する。
中でも「交響曲40番」が印象的なセリフと共に登場します。こちら
別れの曲~小犬のワルツ/ショパン:名曲集
オムニバス(クラシック) / ユニバーサル ミュージック クラシック
蝉しぐれ (文春文庫)
藤沢 周平 / 文芸春秋
最近読んだので良い!と思ったのは藤沢周平の「蝉しぐれ」。時代小説です。我ながらちょっと渋いかな・・とは思いますが大変面白かったです。
父への思い、幼なじみのふくへのあわい恋心、剣に対する真摯な姿勢・・
風景が浮かび、その場の空気や息づかいが感じられる丁寧な描写・・・良いです!
藤沢周平はこれが初めてですが良いですね、他の作品も読んでみようと思えました。
そして日本はこの時代に戻った方が良いんじゃない?とふと思ってしまったり(笑
Bach - Cello Suite No.1 i-Prelude
こちらはバッハの「無伴奏チェロ組曲1番」です。
シンプルにチェロのみというのが質実剛健の時代・主人公に合う。
チェロの「柔らかく響く」所も主人公や人々の温かさに合います。
バッハ:無伴奏チェロ組曲 全曲
マイスキー(ミッシャ) / ポリドール
聖戦ヴァンデ〈上〉 (角川文庫)
藤本 ひとみ / 角川書店
あと、私が昔から好きな作家に藤本瞳さんが挙げられます。コバルト文庫(小〜高校生を対象?)から文芸に移った作家さんですが、私もそれに合わせて追いかけてきました。
フランスやイギリス、オーストリアを舞台にした歴史ロマンを描く方です。
どれも好きですが、唯一挙げるなら「聖戦ヴァンデ」でしょうか。(「ブルボンの封印」も捨てがたい)
フランス革命は知っていましたが、その裏にこんな事があったなんて・・とショックを受けました。
西洋史が好きな方はお薦めです。
この人には重々しくも華やかな交響曲が良い。
Brahms Symphony 1 BERNSTEIN & Israel Phil. 1st Movement 1/2
完成までに21年を要したと言うブラームスの交響曲第1番。
悲劇的で重苦しい第一楽章が好き。
時代も出身地も合わないじゃん!というツッコミは無しでお願いします(笑
ブラームス:交響曲第1番、悲劇的序曲
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 カラヤン(ヘルベルト・フォン) / ユニバーサル ミュージック クラシック
空飛び猫 (講談社文庫)
アーシュラ・K. ル・グウィン / 講談社
重い本ばかりになってしまったので、サラッと読める好きな本を。私大好きなにゃんこちゃんが主人公の「空飛び猫」。ちなみに訳は村上春樹氏。
羽が生えた兄弟猫達が出て来るファンタジー絵本です。
絵も綺麗でお気に入りのシリーズ。
「アイ・ガット・リズム」
Andrew Giller plays Gershwin - I Got Rhythm
可愛い兄弟達にはガーシュウィンの楽しげに飛び跳ねるリズムがピッタリ♪
ガーシュウィンは「魅惑のリズム」や「ストライク・アップ・ザ・バンド」、
そしてのだめカンタービレで有名になった「ラプソディー・イン・ブルー」なんかも好きだ!
エッセンシャル・ジョージ・ガーシュウィン
オムニバス / ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
こんな感じでした。
恋愛が主体なものは滅多に読まないし、ミステリーもホラーも苦手な私。
さらーっと読めるファンタジーか、人の心の機微を繊細に捉え、描いた本が好きです。
皆さんもお気に入りの一冊と、それに合わせるお気に入りの曲等ありましたら教えて下さいね。
次はマンガでも特集しますかー。
by lunareclips_luna | 2009-04-02 17:41 | Music